私どもは、今まで30年近くにわたり「長野県臨床心理士会」として活動してまいりましたが、国家資格である公認心理師が誕生したことから、2019年2月に「長野県公認心理師・臨床心理士協会」と名称を変更しました。

臨床心理士は諸先輩方が長年にわたり、真摯な活動をたゆむことなく続け、しだいに社会においてその名前が認められ、なじみ深いものとなり、そのことが公認心理師誕生にも繋がったと思います。この公認心理師と臨床心理士という二つの職が互いに協力しつつ高め合いながら、長野県で暮らす人々、おひとりおひとりが、少しでも安寧に生活し、その人らしい生を送ることができるような、その一端を担うことができるようなお手伝いを心理面からさせていただきたいと思っております。

現在の日本社会は、従来の地縁・血縁による助け合いや疑似家族のようであった職場内の相互扶助等だけでは解決できない、もしくは解決どころか、関係の濃さゆえに、むしろ増強されているかのような心理的葛藤や苦しみが年々顕著になっているようにも思います。「苦しい時は遠慮せずに声を上げよう」というものの声を上げられない、助けを求めることすらできない方々にどう寄り添っていくかは大きな課題と思うところです。

今後も会員ひとりひとりが互いに切磋琢磨しつつ、関係する諸団体や多職種の方々と手を取り合いながら、世の中の課題に真摯に向き合っていきたいと思いますので、皆様の一層のご理解ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

長野県公認心理師・臨床心理士協会
会長  山本京子